BlogHiroyuki Watanabelook book

Hiroyuki Watanabe 2013-14 A/W collection 「「時間旅行」下巻 仲間になりたそうにこちらを見ている編」look book

Hiroyuki Watanabe <ヒロユキワタナベ>

http://www.hiroyuki-watanabe.jp/

身体のライン包み込む穏やかなシルエット,ジェンダーレスに着こなせるレイヤードスタイルも特徴。

毎シーズン、デザイナー自身が作り上げた物語の登場人物にフォーカスしたテーマ設定を行い、服作りをしている。

2011.1   ブランド「Hiroyuki Watanabe」スタート

 

fro・nowhere ではお取り扱い③シーズン目となるブランド。

メンズ、レディースのお客様共にご好評を頂いております。

 

今週末はサンプルをお借りして、新作受注会を予定しております。

どうぞご期待ください。

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– 2013430(火曜日) PM19:00 –

この日、私は教会での仕事を終えてから弟の誕生日祝いの為にリンゴ農園に向かっていた。

毎年、弟の誕生日にはケーキの代わりに歳の数だけのリンゴとバースデーカードでお祝いをする。

弟は子供の頃から青リンゴが好物で、青リンゴを食べて大きくなったと言っていいくらいである。

ある時、弟が「青リンゴはオレから言わせれば全然青くない!黄緑リンゴだ!!」

などと意味の分からない事を言っていた。

そんな弟も今日で18歳になる。  

       PM19:05 –

リンゴ農園のおじさんには毎年の事などで事前に知らせてあった。

それもあってか農園に着くと、おじさんが既に青リンゴを準備して待っていてくれた。

しかし、おじさんが何故だかいつもと様子が違う。

ミレーユ⇒「どうかしたの?」

おじさん⇒「う~ん、青リンゴだけど、今年は青リンゴの収穫があまり良くなくて1個しか準備出来なくて、

     青リンゴ1個と赤リンゴ17個じゃダメかな?本当にゴメンねえ。」

ミレーユ⇒「大丈夫だよ!たまには赤いリンゴでも良いよ!」

おじさん⇒「ありがとうね!来年はしっかり青リンゴ準備しとくから。」  

       PM19:10 –

少し残念な気持ちもしたが、おじさんが悪いわけじゃないので、青リンゴと赤リンゴ貰って農園を出た。

農園を出ると雨が降り出してきた。

そこに農園のおじさんが傘を持って追いかけてきてくれた。  

おじさん⇒「雨強くなったらいけないから、傘使って!」

ミレーユ⇒「ありがとう!」  

       PM19:40 –

アパートの近くまで帰ってきたが、バースデーカードの事をすっかり忘れていた。

近所の文房店に立ち寄ってから帰る事にした。

       PM19:50 –

文房具店でバースデーカードを買った。

店の前で急いでバースデーメッセージを書いた。

ミレーユ⇒「即席だけど、コレで良いか。」

       PM20:10 –

いつも帰ってくる時間より少し遅くアパートに着いた。

コツコツ、コツコツ、コッッガッ、コツコツ、コツコツ、コツコツ。

カツカツ、カツカツ、カツカツ、カツカツ。

アパートの階段を上り、廊下の一番奥の部屋に着いた。

ドアノブを回すと何故かカギが開いている。

弟は、時々玄関のカギを閉め忘れる。

また今日も忘れたと思い、ミレーユは注意する為に弟の名前を呼んだ。  

ミレーユ⇒「ジョン!ジョン!」  

弟の名前を呼んでも返事が無い。  

「ミィー、ミィー、ウニャ  

その代わりに猫の声がした。

飼い猫である黒猫の「平(タイラ)」の声だった。

部屋に入ってみると、部屋は真っ暗で弟の姿が無い。

足元で平が甘えていた。

電灯を付けてみたがやはり弟の姿が無い。  

「ミィー」

ずっと平が鳴いていると思っていた。

足元を見ると、鳴いていたのは黒猫の平ではなく、以前飼っていた白猫の「民(タミ)」だった。

夢でも見ているのかと思った。

民がこの部屋にいる事がそう思わずにはいられなかった。

民は平を飼い始めてから居場所がなくなったのか、教会に住みつくようになっていた。

ちょうど8年前の今日と一緒な日付、1995430日にこの家を出て行ったきりだった。

一生この家に帰ってくる事はないと思っていた。

ミレーユとジョンは、そんな民の事を思うといつも悪い事をしたと、罪悪感に襲われていた。

そんな民が家に居る。

この家に帰ってきたものだと思い、凄く嬉しかった。

それと同時に平とジョンが家に居ない事も気付いた。

少し不安な気持ちになった。

以前にも味わった事のあるようなデジャブのような感覚だった。

       PM20:40 –

焦る気持ちを抑えながらジョンと平を探す旅に出る事にした。

玄関のドアを開けようとすると、いつもよりドアノブが重たい感覚がした。

ドアノブを回して、ドアを開けると「ゴツンという音がした。」

「痛いぃ~!」

玄関のすぐ外にジョンと平が居た。

何故かジョンは目を真っ赤にして泣いていた。

ミレーユ⇒「そんなに玄関のドアと激しくぶつかったの?」

ジョン⇒「違うけど!姉ちゃんが・・・・、そんな事より急にドア開けるなよ!」

ミレーユ⇒「ドアは急に開けるものでしょ?」

ジョン⇒「それより姉ちゃんどこから出てきたの?」

ミレーユ⇒「家から出てきたのよ!」

ジョン⇒「家はこっちだよ!そっちはトビラだけのが・・・・えっ!」

ミレーユ⇒「家はこっちでしょ?そっちはお隣さんじゃないの・・・・あれ?」  

同じ内装の部屋が二つ並んでいた。

どちらもたしかにミレーユとジョンの部屋だった。

平が「フウゥゥゥ」と言いながら右の部屋に走って入っていった。

ミレーユとジョンが左の部屋を覗いてみると民がこちらを見ながら寝ていた。

しばらく二人で見ていると、なんとおきあがり仲間になりたようにこちらを見ている。 

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